おうちで仕事をする暮らしだと、仕事とプライベートの切り替えが難しいからこそ、リビングで過ごす時間はくつろぎたいですよね。そんな時に、狭さを感じるリビングだと思うようにリラックスができません。今のリビングの大きさ自体を変えることなく、より広く開放的に演出することができれば素敵ですよね?今回は、大人気インテリアコーディネーターのMAKOさんに、リビングを広く見せる家具の選び方やレイアウト方法を教わりました。
リビングを広く見せるコツ
リビングを広く開放的に演出するために、押さえておきたいポイントは3つ。
リビングの壁や床が見えていること。インテリアに統一感があること。そして、視線の抜けを作ること(天井が低めの場合は部屋全体の視点を下げること)です。
それぞれのポイントを踏まえながら、家具の選び方やレイアウト術、配色などを工夫して、開放的でくつろげるリビング空間を実現させましょう。
空間を広く見せる家具の選び方
当たり前ですが、家具のサイズは直接リビングの大きさに影響します。また、視線より高い位置に家具が見えたり、壁や床が家具で隠れていると圧迫感が生まれます。背の低い家具を選ぶことで、視点を下げるようにしましょう。
しかし、収納系の家具は背が高いものが多く、壁一面を隠してしまうことも。そんなときはオープンシェルフがおすすめ。背板がない棚のことで、後ろの壁が見えるので圧迫感を軽減できます。
家具のデザインで見落としがちなのが「脚」の有無。脚付き家具は床が見えるため部屋を広く見せることができます。脚付きソファなどは、下に使用頻度が低いものなどを仕舞う収納としても活用できる場合も。
また、例えばソファとしてもベッドとしても使えるソファベッドのように、2つの役割を持つ兼用家具も、一つの機能分の空間を節約できるので必然的にリビングが広くなりますよ。
さらに、家具の材質もリビングの広さに影響します。アクリルやガラスなど透過性のある素材を使用した家具であれば、視線が家具の向こう側まで抜けるので、壁や床を隠すことがありません。リビング全体のインテリアと合うか吟味して取り入れてみては。
アイテム紹介
オープンシェルフ
【ACTUS】FB MULTI SHELF
エフビー マルチシェルフ
収納ボックス
【ウッドロア】シダー収納ボックス
ガラステーブル
【LOWYA】
アシンメトリーデザイン ローテーブル
レイアウトの基本は「視線の抜け」
レイアウトは「視線の抜け」を重視しましょう。
まずは、大きな家具や収納棚などを壁面にまとめて配置。中央にスペースを作ることで視線の抜けを確保します。壁や床が隠れると圧迫感につながるので、片側の壁面に家具を全て寄せるだけでも、大きく印象が変わってきます。
室内から一番視線の抜けが作れる窓際は何も置かないように。廊下につながる直線の動線も視線の抜けを作れるので、家具を置かないようにしましょう。
また、リビングの入り口から奥に向かって、家具の背が低くなるように配置すれば奥行きを演出できます!
インテリアの統一と色の視覚効果の活用
壁面や部屋全体の雰囲気に合わない家具を置くと、その家具が悪目立ちして違和感や圧迫感が生まれる要因になることも。そうならないためにも、家具の素材感や色合いを、床や壁と馴染むように選ぶことが大切です。
そこで一番簡単な方法は、北欧スタイル、モダンスタイル、ナチュラルスタイルなど、自分の好みのインテリアスタイルに統一すること。空間と家具が調和して、目線が引っ掛からなくなります。
インテリアスタイルに関しては、下記の記事でまとめているので参考にしてみてくださいね。
『大人気インテリアコーディネーターが伝授!理想のおうちを叶えるファーストステップ』
<インテリアスタイルの例>
また、色にはそれぞれ視覚効果があり、錯覚や心理的な影響を及ぼすことが分かっています。リビングでも大きな面積を占めるラグ、カーテン、大きな家具などは膨張色のホワイトやベージュでまとめると、明るく広がりのある空間になります。
ただし、膨張色だけだと単調でのっぺりとした印象になりがち。同じ色でも濃淡をつけてみたり、ところどころにアクセントカラーを取り入れることでメリハリをつけましょう。
効果抜群のテクニック!
部屋の明るさと広さは密接に関係しています。部屋の真ん中に主照明が1つしかないリビングでは、部屋の隅が暗くなりがち。ここに間接照明を当てて明るさを補充するだけでも広さを演出できます!
隅以外にも明るさが足りないと感じたら、間接照明で壁面などを照らしてみましょう。
また、天井からハンギンググリーンを吊るすのもおすすめ。視点の高さにリズムをつけることで奥行き感を演出できます。
部屋に植物があるとストレス軽減の効果も期待できるので一石二鳥ですよ。
ほかにも、横幅が狭い壁面には縦長のポスターを貼ると縦ラインを意識させることができます。
逆に、幅広い壁面には横長のポスターか、同じサイズのポスターをいくつかならべると横ラインを強調できます。また、額縁に入れた絵画を飾ることで奥行きを出す小技もあります。
実際のレイアウト例
上記の内容を踏まえて、実際の間取りでリビングが広く見えるレイアウトを考えました。それぞれのワンポイントと合わせて紹介します。
ソファダイニングを活用
リビングとダイニングの機能を合わせて使うこちらのお部屋では、ソファダイニングが大活躍。名前の通りくつろぐためのソファと食事をするためのダイニングチェアの二つの役割を持つ兼用家具で、空間を広々と使うことができます。
このとき、ダイニングチェアの背もたれ部分が低めでテーブルと高さが近いとより圧迫感は少なくなります。
他には、カーテンは白系のブラインドにするとスッキリします。レースカーテンを部屋内側にもってくるフロントレースにすると、奥行き感も演出できますよ。
アイテム紹介
ソファダイニング
【LOWYA】
ソファダイニングセット
視線が抜けるように配置
リビングダイニングに続く入り口からの直線部分と、大きな窓際にはなるべく何も配置しないことで、視線を外に抜けさせるように工夫しました。ソファ側の壁には棚などを置いておらず、両サイドの壁が家具で隠れることを防いだため、圧迫感も軽減されています。また、ダイニングテーブルが近くにあるので、ソファとテレビボードの間にローテーブルは置いていません。
代わりに入れ込み式のサイドテーブルを活用すれば空間を広々と使うことができます。設置するソファはロータイプの方が圧迫感はありません。首の疲れが気になる場合は、ソファ用のヘッドレストで解決しましょう。
アイテム紹介
サイドテーブル
【ACTUS】
K22 SIDE TABLE
https://online.actus-interior.com/item/search/id/search/name/search?keyword=K22
死角部分を活かした配置
リビングとダイニングをはっきりと分けることで、広々と空間を使っています。また、部屋に入ったときの死角になる、入り口の後ろ側や横側に家具を配置して圧迫感を軽減しています。逆に、部屋に入った瞬間目に入るところにソファを設置。その上にアートを飾ればフォーカルポイント(部屋の中で視線が集中する場所)になり、部屋が締まりますよ。
テレビボードをテレビと同じ幅にする方が多いですが、テレビより横長で余裕のあるものを選びましょう。ソファとテレビボードのセンターを合わせて配置すると、スッキリと綺麗にまとまります。
同じ大きさのリビングでも、家具の種類や配置、配色の工夫などで、広さの印象がかなり変わってくることがわかりました。いまだ先の見えないコロナ禍で、テレワーク期間やおうち時間はまだまだ長くなりそうです。リビングを少しでもくつろげる空間にするため、家具やレイアウトを見直してみてくださいね。
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