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モデルハウスコーディネートを手掛けるプロが教える!心豊かな暮らしを叶えるインテリア<前編>

住まい

2022年をもっと心豊かに過ごすために、おうちにシンプルで上質なインテリアを取り入れてみませんか?今回はインテリアコーディネートのプロにインタビューを行い、住まいのインテリアを考える上で役立つポイントについてアドバイスをいただきました!
情報満載のため、前編・後編の2回にわたって、お届けします。

実際にコーディネートを手掛けられたモデルハウスをご案内!

今回お話を伺ったのは、全国各地で幅広いインテリアコーディネートを手がけるONEデザインズの武元さん。インテリアのポイントをご紹介していただくために、武元さんが実際にコーディネートを手掛けられた「アスモタウン東岸和田」のモデルハウスを、ご案内していただきました。

「今日、ご紹介するモデルハウスは、お子様がいる30代のご夫婦をターゲットに“家族と楽しむ、心地よい暮らし”をコンセプトにしています。また “シンプル&コンフォータブル(快適)”をキーワードに設け、それに沿ったかたちでコーディネートを施しました。今のお住まいでも取り入れられるポイントは多いと思いますので、ぜひ参考にしてください」

インテリアコーディーネーターとして活躍されるONEデザインズの武元美恵子さん。

モデルハウス「アスモタウン東岸和田80号地」
木目調のダークブラウンと、ホワイトを基調にした、柔らかく自然な風合いの外装が印象的。
「外装はずっと残るものなので、自然と街に馴染みながらも、同時に少しカフェっぽいお洒落な雰囲気を意識しました」(武元さん)

スポット別でアドバイス!
インテリアコーディネートのポイント

「エントランスを含め、内装はグレージュとダークのツートンをメインカラーにしています。フローリングに関しても同様なのですが、少し前までのフローリングといえばウォールナットをはじめ、少し濃い色の上質感のある床材が主流でした。ただ、最近はお家で過ごされる時間も増えてきたので、こういった明るい色の方がトレンドになってきているんです」

確かに暗い床材は高級感があるものの、やや落ち着きすぎている印象。毎日過ごす場所だからこそ、ナチュラルで明るいカラーが好まれているそうです。

「シューズボックスをホワイトにしたのは、玄関のドアを開けて一番最初に目につくところなので、圧迫感が出ないようにしたかったからです。よくボックスの上に鍵とかハンコなど小物を置きがちですが、散らかった印象を与えたくなかったので、飾りだけのスペースにしました」

シューズボックスとコンソールが置かれたエントランスの様子。

小さなオブジェや観葉植物が並べられたシューズボックス。

小物のスペースの代わりとしてコンソールを設置されたそうですが、必ずしもコンソールにこだわる必要はないそうです。

「このお家のようにエントランスが広い場合は、姿見を置いて身支度をするスペースとして利用するのもいいと思います。ちなみに、壁の一面に“エコカラット”を貼っているのもポイントです。調湿機能があって、玄関の気になる匂いも軽減してくれます。デザインも豊富なので、エントランスだけでなく、リビングやトイレなど、家のさまざまな場所で活躍してくれますよ」

コンソール側にあるお洒落なタイル調の壁がエコカラット。

エントランスからリビングスペースにつながるドアを開けると、2階部分へ続く吹き抜けが印象的なLDK(リビング・ダイニング・キッチン)が広がります。

「このモデルハウスの間取りには2つの大きな特徴があって、一つは“吹き抜け”。もう一つはキッチンに立つとよくわかるんですが、LDKだけでなく、和室や階段下、2階の廊下部分も含めて“すべてがつながって見渡せるような作り”になっていることです」

ダイニングから見たLDK。ダイニングからは2階にあがる階段があり、吹き抜けになっています。

キッチンから見たLDK。目の前にはダイニング、奥にリビング。右奥には和室。左手前には階段下のデスクスペースが見えます。

「この間取りを見た時に、“どこにいても家族の気配を感じながら過ごせるお家”にしたいと思いました。例えばキッチンで料理をしている奥様が、和室で遊んでいるお子様や、階段下で調べ物をしているご主人の様子を見られる。ご主人もすぐ後ろで奥様やお子様を感じ、お子様も見上げるとパパとママを感じるといったイメージです」

食事や団らんの時だけ集まるのではなく、それぞれが思い思いの場所にいても、コミュニケーションが取れる家。家族みんなが家で過ごす時間が増えてきた今だからこそ、大切に考えたい部分ですね。
続いて、1階の各スポットのこだわりをご紹介していただきました。

ダイニング

「ダイニングのポイントはグリーン(観葉植物)です。先ほど間取りの特徴として話した吹き抜けですが、最初に“この高さをどう生かすべきか?”と考えた時に、カフェの雰囲気を出しつつ、自然を感じられる要素として、大ぶりの枝物がぴったりだと思ったんです」

テーブルの隣に置かれたシェルフ。その上に置かれた立派な観葉植物。おうち時間が増えたことで、部屋の中で自然を感じることがトレンドになっていると武元さんは言います。

部屋の中心で存在感を放つ大きな観葉植物。

「グリーンは足し得と言いますか、たくさんあって困ると言うことはありません。また、このように部屋の中央に大きなグリーンを配置することで季節を感じることもできるんです。クリスマスだったらツリーを。春には桜の枝なんかを飾ってみるのもおすすめですよ」

ひとつ注意点があるとすれば、このような高さを出せるのは吹き抜けがあってこそ。実際は部屋に合わせて、圧迫感が出ないように配置するのがポイントだそう。

こちらのシェルフにはもう一つ使い道があると話す武元さん。おもむろに取り出したのはスピーカーでした。

素敵なインテリアに溶け込むバルミューダのスピーカー。

「吹き抜けってメリットばかりじゃなくて、デメリットもあって、特に大きいのが生活音なんですね。1階で洗い物をしたり、テレビを見たりしていると、その音が2階まで伝わってしまう。その欠点を逆手にとって、逆に音楽を流そうと考えたんです。朝は鳥の鳴き声とかオルゴール、夜はジャズっぽい音楽をかけて、お家全体を音で繋げようと思ったんです」

リビング

「リビングには存在感のあるアカプルコチェアを置きました。3人家族の想定なのでソファだけでもいいんですが、より快適でリラックスできるような空間に仕上げようと思って」

リゾート地のアウトドアチェアとして親しまれてきたアカプルコチェア。カラーは部屋の印象に合わせて黒をチョイス。

一人一人がゆったり座れるのはうれしいポイント。不思議なのは、すでにソファや、テーブル、ローボードなどが置かれてあるリビングに、大きめのチェアを追加で置いたのにもかかわらず、移動にほとんど不便を感じないというところです。

「リビングに限った話ではないのですが、家具の配置は“動線を意識すること”が重要です。リビングまわりは座ったり立ったり、歩き回ることも多いので、丸いテーブルを配置しました。ダイニングはテーブルとシェルフの横幅を合わせて凸凹感をなくしています。さらにキッチンや、階段下スペースにもスムーズに移動できるよう充分なスペースを確保しました」

リビングから見たLDK。武元さんの言葉通り、スポットごとの動線がしっかりと確保されていることがわかります。

「動線の話が出ましたので、家具選びについてもお話します。コンセプトやキーワードに合わせて“家具に統一性を持たせること”が大切です。例えばこちらのモデルハウスの場合、“シンプル&コンフォータブル”がキーワードとお話ししましたが、家具の色味や形状も、そのキーワードから外れないように統一しています」

武元さんが選んだ家具は、どれも足が細め&ブラックが特徴。そのため、それぞれのブランドは違うのに、同じシリーズのような一体感が生まれています。

キーワードを意識していても、色味や素材感がバラバラでは結果としてミスマッチに繋がってしまうそう。家具はもちろん、クッションや小物などを置く際にも、意識しておきたいポイントです。

リビングに置かれたチボリフロアスタンド(アルネ・ヤコブセン)も足の細いミニマルなデザイン。

画像のイームズのハウスバードにように、各部屋のインテリアグッズもブラックを基調とした物が多い。

階段下

「デッドスペースになりがちな階段下はデスクスペースにしました。イメージとしては少しこもれる場所というか、自分の世界に入れるような場所です。ここは誰が使ってもいい場所で、ご主人が調べ物をしたり、お子様が宿題をしたり、ダイニングの椅子を並べて2人で何か作業をするっていうシチュエーションにも活用できます」

階段下スペース。上手な使い方がわからず、“観葉植物を置いておしまい”というパターンも多いですが、活用すればこんなに素敵な空間に。

これまでダイニングテーブルが兼ねていた役割を分散させる狙いもあったと話す武元さん。確かにダイニングテーブルは本来食事するためのものなので、それ以外の要素は持ち込まない方が、誰にとってもストレスフリーですね。

和室

続いて案内されたのはリビングと隣接する和室。実際見てみると単純に和室と言っていいのかわからないほど、お洒落な空間です。

和室のイメージを一新させるお洒落な空間。

「この和室は私もお気に入りのスペースです。お家の全体のコンセプトから、ここだけが分断されないよう、畳をチャコールの琉球畳に変えたり、扉をアルミ製にしたり、障子の代わりにプリーツスクリーンを配するなど、イメージにこだわりました」

いくらお洒落な空間とはいえど、最近の物件はあえて和室を設けないというパターンもよくあると聞く中、和室を入れるメリットはどこにあるのでしょう。

「一番は使い勝手の良さですね。今回の間取りだとリビングと隣接しているので、小さなお子様の遊び場になったり、運動不足解消の場になったり、家事のスペースとしても活躍します。もし隣接していなくても、ゴロンと横になりたい時に和室であればどこでも寝転べますから。お家時間が増えてきた今だからこそ、和室が再評価されつつあると思います」

使い勝手の良さという観点から改めて考えると、確かに和室はあったほうが良いかもと思えますね。ただし、今回のモデルハウスのように、お洒落な空間にまで昇華させるのはかなり大変そうです。

「どこまで印象を変えたいかにもよりますが、仮に和室らしさを払拭したいとお考えでしたら、ラグを引くだけでも見た目は大きく変わります。あとは腰をかけられる丸いクッションとか、座椅子を置くことで、より洋風になじませていくことが可能です」

暮らしの中に非日常を楽しむことができるテラスや、家族それぞれのライフスタイルに合わせた2階の居室などは後編でご紹介します。お楽しみに!

取材協力
ONEデザインズ株式会社 インテリアコーディネーター 武元さん

ONEデザインズは、マンションモデルルームを中心に、生活にまつわる空間すべてをデザインします。各分野のプロフェッショナルが連携し、ワンストップでスムーズにサービスをご提供。「人とデザイン」の視点から空間を演出していきます。
https://www.koyou-onesd.co.jp/

モデルハウス
アスモタウン東岸和田80号地

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